
2020.03.09
「公認不動産コンサルティングマスター」ってどんな仕事?井口さんの現場に密着
こんにちは、2Line2スタッフの井上です。
2line2のコラム監修やセミナー講師をつとめ、公認不動産コンサルティングマスターの資格をもつ井口さん。
最近では専門学校での講師やメンター(指導・助言役)も行っているそう。
そんな幅広い仕事・人脈をもつ井口さんですが、普段の不動産仲介業の業務風景とはどんなものなのでしょうか?
今回は、2line2の顔とも言える井口さんのお仕事の現場にお邪魔しました!
井口 忠二 Tadaji Inoguchi
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。
三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。
その後、株式会社アスパートナーを設立。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー、福岡市創業拠点スタートアップカフェ アンバサダーコンシェルジュ
「所有権移転登記手続き」とは?銀行で行われる手続きに同行
朝10時。西日本シティ銀行のとある支店の一室には、井口さんのほか、銀行担当者、売主側の仲介会社担当者、司法書士、そして依頼主である買主様ご夫婦というメンバーが揃っていました。
今回、高取地区でマイホーム(マンション)を購入する買主様ご夫婦。
このとき行われたのは、以下のような内容です。
- 住宅ローン融資手続き
- 売主への残代金の送金
- 所有権移転登記のための署名捺印
- 購入した部屋の鍵の引き渡し
いずれも難しそうな内容ですが、井口さんや司法書士さんの丁寧な説明で、手続きはスムーズに進みます。
▲自身で作成した書類も使用し丁寧に説明
すべての手続きに対し、一つひとつ丁寧に説明があります。
通帳記入の場面では、どの金額が何を行ったものなのかなどすべて解説され、不明点が残らないように配慮されています。
買主さんご夫婦に緊張した様子は見受けられず、通帳記入のため銀行のフロアを移動する際には、井口さんと和やかに談笑する場面も。
また、鍵の受け渡しの場面では、使い方をはじめ、最新の鍵に対するセキュリティの案内や注意点なども説明されます。
▲売主様側の仲介担当者さんから鍵の説明を受ける皆さん
売主様側の担当者さんや司法書士さんとは何度も一緒にお仕事をしたことがあるとのことで、連携プレーのようにスムーズに手続きが進んでいきます。
買主様ご夫婦が「鍵の交換は必要でしょうか?」など質問すると、最新キーの特徴などを踏まえ、売主様側の担当者さんが「心配な場合はおすすめします」とすぐに返答。
他にも、購入時に加入する火災保険の説明や、引越しのタイミングなどを含めた今後の流れなどが説明されます。
雰囲気は終始穏やか。何気ない会話が弾んで思わず笑みがこぼれる、というシーンが何度もあります。
そして約1時間後に無事手続きは完了し、皆さん笑顔で解散となりました。
ひと仕事を終えたばかりですが、井口さんは事務所に戻って引き続き業務にあたるとのこと。そちらにも少しの間、お邪魔させていただくことになりました!
事務所にて不動産査定書作成・競合募集状況の分析など
福岡市高砂にある井口さんの事務所(アスパートナー)に戻ると、すぐにご自身のデスクへ。
先に業務にあたっていたスタッフさんとともに、依頼をいただいていた不動産投資案件について、進捗などを確認します。
スタッフさんが見つけた物件情報に丁寧に目を通し、依頼内容と照らし合わせ、「どういう依頼内容だったか」「その依頼内容にふさわしい物件なのか」など議論を重ねます。
▲スタッフさんが用意した資料をもとに内容を確認
依頼内容の確認の他にも、
- 不動産コンサルティング業務(ランニングコスト削減の提案を含む)のレポート資料作成
- 不動産査定書(売買仲介)作成のための事例収集
- 賃貸管理の空室対策マネジメント(周辺の賃料相場をチェックし競合募集状況を分析)
- マイホーム購入検討のお客様へ紹介するための物件検索
- 仲介成約までの、電話やメール報告によるお客様フォロー
など、業務は多岐にわたります。
本日間近で拝見した内容をもとに、さらに井口さんに詳しくお話を伺いました。
不動産の悩みをワンストップで解決し、お客様に笑顔になってもらいたい
―今回は同席させていただき、ありがとうございました! 買主さんご夫婦もとてもリラックスして手続きを進めていらっしゃるように見えました。
私もほっとしました。これからまた、火災保険に関わる手続きや、所有者変更の連絡といった残りの作業に取り掛かります。
―書類の枚数は多かったですが、買主さんが実際に行う作業は少ないように感じました。
弊社では、可能な限り書類作成などを代行しています。だからそう感じたのかもしれませんね。融資の事前審査のために銀行に出す書類などもそうです。
これをやることで、買主さんは銀行に足を運ぶ回数を削減できるんです。こちらで作成できる書類は、基本的にすべて事前に準備しておくんですよ。
―それは他の不動産仲介会社さんでも同様なのでしょうか?
いいえ。手間がかかるので、そこまで対応する会社はほとんどありません。
手続きには、かならず買主さんが行わなければならないものがあります。先ほどの所有権移転登記手続きなどがそうで、こちらはご本人に来ていただかなければなりません。
一方で、事前審査申し込みのようにこちらで作業を代行できるものもあります。そういったものを行うことで、お客様には銀行に来ていただく回数を最小限にしているんです。
―銀行での手続きは平日ですから、仕事の休みなどの調整が難しい場合もありますよね。
そうですね。そういった契約などに関する不安をなくすことこそ、私たちがやるべきことなのではないかと思うんです。
▲井口さんが提案時に準備する資料のひとつ
ほかにも、先ほど社に戻ってから対応していた案件もそうです。弊社では依頼された物件を探すだけではなく、契約後のシミュレーションも行った上で、お客様に提案しているんです。
―シミュレーションとは、具体的にはどのようなことでしょうか?
先ほどのご依頼は「投資物件を探してほしい」でした。購入・売却物件と違って投資ですから、当然、利益をうむように考えなければなりませんね。
そこで、入居率が少なくなった場合、依頼者様の自己資金から逆算し、どのくらいまでなら利益がマイナスにならないか。またその場合の税務上の動きなどをシミュレーションするんです。
―井口さんはFP(ファイナンシャルプランナー)の資格もお持ちですから、そういった相談にも対応できるんですね。しかし、そこまで丁寧にやるのはなぜでしょうか?
とてもシンプルですが、やはりお客様に笑顔になってほしいという思いがあります。
物件の購入、売却、そして先ほどのように投資のご相談以外にも、相続問題など様々なご依頼をいただきます。そして依頼主の皆さんは、何らかの課題や問題を抱えていらっしゃいます。
たとえば「相続について話し合おうと考えているうちに、親が病気で亡くなってしまった」「購入したマンションの修繕積立金の内訳について、担当会社からの説明が十分ではなかった」など…。
それらに対し、一番効率の良い方法をご提案するのが、仲介会社のあるべき姿ではないかと考えているんです。
―そのために他社では行わないような準備をしているし、だからこそ先ほどのようにスムーズに手続きが進むんですね。
そうですね。不動産に関する情報には難しい内容も多いのですが、とくにこの2line2はそれを解決できる情報ツールだと言えます。
皆さんにはぜひ2line2を活用していただきたいですし、それでも悩むことや相談したいことがあれば、遠慮なく私までご相談いただければと思います。最善の方法をご提案いたしますよ。