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【2021年最新】売買契約から引き渡しまで期間はどのぐらい?


このコラムの要点をサクッと解説

? ギモン
売買契約から物件・不動産の引き渡しまで、どのくらいの期間がかかるの?
A. コタエ
物件の引渡し時には、用意しておくべき書類、住宅ローンの一括返済の申請など様々なことが発生する。事前に仲介会社や司法書士に必要な書類を確認してもらい、前もって準備を進めておくことが、トラブルのない物件引渡しのポイント!

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こんにちは、2Line2スタッフです。

不動産の売却手続きが進めば、次は物件の引渡しになります。

とはいえ、売買契約から引き渡しまで期間は、いったいどのくらいの期間があるのでしょう?

また、引渡しまでに売主が準備しておきたい書類にはどんなものがあり、代金の取引はどのような手順で進めるのでしょうか?

今回は物件売買契約から引渡しまでの期間や、引き渡し時に気をつけるべきこと、トラブルを防ぐポイントについて、公認不動産コンサルティングマスターである井口さんにお話を伺いました。


売買契約から物件の引き渡しまでにやっておく5つのこと

売却物件を引き渡すまでにやっておくこと

売却する物件を引き渡すまでに準備・確認しておくことには何がありますか?

大きくわけて、以下の5つです。

1. 登記済権利証の保存確認

買主側が指定する司法書士に、権利証と印鑑証明書、住民票などを確認してもらい、残代金取引時に買主に所有権移転ができるかを、事前に確認しておきましょう。

過去には、以下のような事例もあります。

  • 土地権利証のみ保管しており、建物の権利証が紛失していた
  • 相続で取得した不動産を売却する際に、登記名義人が現相続人へ名義変更されていなかった
  • 複数の所有者で持っている不動産を売却する際に、保管していた権利証では不足していたなど、権利証の不備によって、売主側に追加の費用※として5万から10万円が別途必要になる場合

※司法書士が法務局に対して作成する書類(売主が本人であることを確認した書類など)を添付する必要があり、売主に追加登記費用がかかる場合があります

2. 建物残置物の撤去

一般的には、買主へ引渡す日までには家具や家電を撤去しなければなりません。

その他、売買契約の際に売主買主間で交した設備表に明記された「残置する設備」以外は撤去が必要です(この場合の費用は原則売主が負担)。

荷物の量が多い場合は専門業者への依頼が必要になります。あらかじめ依頼する業者や、準備期間を確認しておきましょう。

3. 保管資料の引き継ぎ

建物に関する管理規約や設備の取扱説明書、新築時の資料などが保管されているようであれば、買主に引継ぐようにしましょう。

4. 火災保険の解約手続き

売主が火災保険に加入していた場合、売却に伴って所有権移転日(引き渡し日)までで火災保険を解約する手続きを忘れないようにしましょう。

5. 電気・水道・ガス等のライフライン解約手続き

売主が現時点で使用している電気・水道・ガスは引き渡し日の前日までに解約手続きをするようにしましょう。

なるほど。登記から水道などの解約までやることはたくさんですね…。


売却した不動産を引き渡す際の注意点

抵当権がついた物件や測量が必要な物件の引き渡し

さらに不動産の状況によって、やっておくべきことが異なる場合があるんです。ここでは2つのケース別対処法を解説しておきましょう。

1. 売却する不動産に抵当権(根抵当権)が設定されている場合

買主へ不動産の所有権移転をするためには、売主の住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する手続きが必要です。

買主から売主へ支払う不動産の売買代金で、住宅ローンを完済する取引が多いようです。

残代金取引をする日から2週間前から3週間前に、売主は金融機関に対して一括返済の申し出を行ってください。

完済する金融機関によっては、完済申し出にともなって取得後3か月以内の売主印鑑証明書や住民票が必要になる場合もあるため、確認しておきましょう。

また銀行用だけでなく、登記用に提出すべき印鑑証明書や住民票が必要な場合もあります。

売買契約後すみやかに、必要合計通数を仲介会社に確認しておくようにしましょう。

根抵当権が設定されている場合にどう対応すべきかなどは、こちらの「不動産に『根抵当権』がついている物件を売却するポイントとは?」の記事で解説しています。あわせて参考にされてください。

2. 測量が必要な場合

取引の条件によっては、売主費用での測量が必要な場合があります。

道路の官民境界を特定させることを目的とした確定測量は約2か月~3か月、隣地との境界のみを特定する測量は約1か月~2か月程度の日数がかかる可能性があるため、事前に準備しておくようにしましょう。

買主の希望する測量が終わっていないと、残代金取引日を設定できないこともありますので、注意しましょう。


残代金取引時にやり取りされる費用とは?

物件売却時の残代金取引

最後が残代金取引時のポイントですね。この内容などもお聞かせください!

そうですね。しっかり整理しておきましょう。
ここでは「売主が買主から受領する金額」「売主が支払う金銭」の2つがあります。以下に詳しく説明していきましょう。

1. 売主が買主から受領する金額

  • 残代金(売買金額から手付金を引いた残金)
  • 固定資産税・都市計画税等精算金

    あらかじめ、起算日を定めて日割り精算しておきます。
    ※西日本では4月1日、東日本では1月1日を起算日とすることが多いです。
    1月1日以降に残代金取引を行う場合は、売主に翌年度の固定資産税についても全額請求されるため、翌年度の固定資産税も合わせて精算します。

  • マンション管理費・修繕積立金等精算金

    毎月支払っている管理費や修繕積立金等を日割りで精算します。

2. 売主が支払う金銭

  • 売買仲介手数料

    売買価格×4%+2万円+消費税(売買金額が200万円超、400万円以下の場合)売買価格×3%+6万円+消費税(売買金額が400万円超の場合)

  • 登記費用

    抵当権の抹消が必要な場合や、売主の住所が登記簿謄本と住民票で差がある場合、権利証紛失に伴う費用など(2万円~)

  • ローン完済に伴う完済金額
  • 測量費用※
  • 建物解体費用※

※測量費用・建物解体費用は、取引条件による


まとめ:早めの準備で、不動産の引き渡しをスムーズに

こうやってあらためて見ても、やることは本当に多いですね…。

ええ。土地の所有者が代わり、そこで金銭が発生しますからね。
まずは不動産売買取引を開始する前、または売却活動を行っている間に、保管している書類を仲介会社に開示しておきましょう。

それはなぜでしょうか?

仲介会社を通して司法書士に不足書類がないかを事前に確認してもらうことで、あわてることなく売却手続きを進められるようになるんですよ。

また、ローン完済のための一括返済手続きを、残代金取引をしたい日の何日前までに申し出する必要があるかも、事前に確認しておくことをおすすめします。

直前になって一括返済手続きをしても、金融機関が抵当権抹消のための書類準備に対応できないというケースもありますから。

なるほど。ありきたりではありますが、やはり、早め・事前の準備が大切だということですね。

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この記事の監修者

井口 忠二

公認不動産
コンサルティングマスター

井口 忠二

Tadaji Inoguchi

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株式会社アスパートナー代表取締役。
福岡県出身。明治大学商学部卒。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了。
大手不動産会社に入社し、売買仲介営業を経験。東京23区エリア営業トップセールスを2年連続受賞。その後、不動産の売買賃貸仲介・管理・コンサルティングをワンストップで対応する株式会社アスパートナーを経営。売買仲介成約件数700件超。

Licenses and Certifications

宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー
相続士
相続診断士
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
経営学修士MBA
損保トータルプランナー(損害保険最上位資格)
不動産キャリアパーソン