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【2021年最新】中古住宅購入を成功させるためには?


このコラムの要点をサクッと解説

? ギモン
中古住宅購入を成功させるために気をつけたいポイントを知りたい!
A. コタエ
購入前に必ず重要事項説明や、物件状況報告書と設備表のチェックが行われる。契約を解除すると、契約の進み方によっては違約金を支払う必要も。購入の最終判断を行う前に内容をしっかり理解し、納得してから契約をしよう!

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こんにちは、2Line2スタッフです。

契約間近になると、残りは書類にサインをするだけ…なんてことはありません。

中古不動産を購入する際には、建物自体の現状についてなど、必ず確認すべきことがあります。

これらの点をしっかり把握しないままに契約をすると、想定外の事態などで契約解除の必要が生じ、金銭面でも損をしてしまう可能性があります。

今回は、契約前に必ず確認が必要な点と、契約解除に伴う違約金などについて、公認不動産コンサルティングマスターである井口さんにお話を伺いました。


中古不動産購入時の注意点「重要事項説明」をチェック!

住宅購入時の重要事項説明

契約の前に必ず行われるのが、重要事項説明です。

重要事項説明とは…?

宅地建物取引士(宅建士)が書面を交付して、購入予定の物件、取引条件に関する重要な項目について買主へ説明する、という義務があります。

しかし、この内容を理解しないままに契約をするのは、非常に危険です。

危険、ですか。詳しく教えていただけますか?

重要事項説明の流れをまず説明しましょう。

  1. 売主や仲介会社の情報、説明をする宅建士の氏名・勤務先・免許番号など
    仲介会社は倒産リスクに備えて法務局に供託金を預け入れており、その供託金の供託場所も明記されています。

  2. 売買対象物件の詳細について
    建物情報(家屋番号、面積、築年数、構造、階数など)土地情報(地番、面積、権利関係など。マンションの場合は、土地持ち分割合)

  3. 法令上の制限について
    用途地域、都市計画法、建築基準法、建築基準法以外の法令などの概要

  4. 私道について
    売買対象物件の前面道路において公道ではなく、私道になっている場合についての所有者情報や注意点

  5. ライフラインについて
    電気、水道、ガス、雨水、雑排水など直ちに使用可能な施設を説明

  6. マンションの場合
    管理規約や使用細則で定められている内容、駐車場や駐輪場といった専用使用権や使用料についてなど

  7. 解除条項について
    手付解除、違約解除、引き渡し前の滅失毀損による解除、融資利用による解除などの条項

  8. 融資利用の詳細について
    融資申込先、融資金額、期間、金利

  9. 瑕疵担保責任について
    売主と買主間で引き渡し後に瑕疵が発見された際の取り決め(何か月以内にどのような事象が発生したら買主は売主に対して補修費用の請求ができるか)

  10. その他重要な事項
    町内会や周辺環境、取引をする上で事前に買主に伝えておくべき重要な点

なるほど…リストアップされたものを見るだけでも、曖昧にはできないものばかりだということがわかります。

そうですね。もしわからない部分があったら、すぐに不動産仲介担当に確認しましょう。


購入前には、物件状況報告書と設備表の確認を

物件状況報告書と設備表

また、売主から書面を通じて告知される「物件状況報告書」と「設備表」の確認も必要です。こちらも詳しく説明しましょう。

物件状況報告書に記載されている内容

現在売主が発見している雨漏り・シロアリの被害・給排水管の故障、土地の境界に関する情報、土壌汚染について知っていること、本物件における事件・事故・トラブルなどの情報を告知しています。

設備表に記載されている内容

現在、物件にどんな設備があり、さらに故障している箇所などがある場合はそちらも記載されています。

撤去処分する項目がないかなども確認しておくと、トラブルを未然に防げます。

なるほど、こうやって改めて見ると、確かに必ず確認すべき点ばかりですよね。

ええ、そうですね。他にも気になる点があれば、必ず事前に仲介会社を経由して売主に確認してもらいましょう。


不動産購入における手付解除と違約解除の違い

手付解除と違約解除の違い

ここで、上記のうち、重要事項説明の7つめ、「解除条項について」について詳しく説明しますね。

「手付解除、違約解除、引き渡し前の滅失毀損による解除、融資利用による解除などの条項」のところですね。

はい。この二つ、名前が似ていますよね。けれど大きな違いがあるんです。
それが、「契約解除の時期」です。

まずは手付解除から説明しましょう。

契約履行に着手する前にできるのが「手付解除」

契約後、買主の自己都合により契約を解除したい場合は、相手方が契約の履行に着手するならば、売主に支払った手付金を放棄することで、契約を解除することができます。

「相手方が契約の履行に着手する」…とはどういう状態なんでしょうか?

  • 売主が売買対象物件を明け渡すために引越しをした
  • 買主が融資の本承認を取得して、金銭消費貸借契約を締結する段取りをした

上記は契約行為の着手として認定され、手付解除が認められる可能性が高いんです。

手付金を放棄、つまり相手に差し出すことで、契約解除になる…?

そういうことですね。契約解除に関する内容は重要事項説明でも行われるため、仲介会社の宅地建物取引士に詳細を確認しておくと良いですよ。

また、売主が個人の場合は、手付解除期日も明記されていますので、こちらもあらかじめ確認しておくと良いですね。

売主の自己都合による契約解除の場合

売主側が契約後、自己都合によって契約を解除したい場合は、契約時に受け取った手付金を二倍にして返却することで契約を解除することができます。
(手付金を一旦買主に戻し、さらに手付金と同額の金銭を買主に対して支払う)

どちらかが契約履行を行わない場合には、違約金による解除

次に違約金ですね。
売主・買主の一方が履行に着手しない場合、つまり、売買契約は締結したが残代金取引・所有権移転に向けて動いてくれないなどの場合があります。

契約しただけで、何も先に進まない状況ですね。

そういった場合は、まず相手方に債務の履行を、内容証明などの書面で請求します。

しかしそれでも履行しない場合に、違約金を支払うことで契約解除が可能になるんです。

ああ、「売買契約を締結したけれど」という点がポイントなんですね。契約したのに動いてくれない、だから約束と違う…つまり、違約になると。

そうですね。こういった場合、通常売買代金の10%~20%が違約金として設定されることが多いようです。

実際に、どのくらいの金額になるのか例を見てみましょうか。

売買金額:2,000万円
手付金:200万円
違約金の額:300万円(売買代金の15%)

この場合の違約金の流れは以下のようになります。

買主が違約した場合
売買契約時にすでに売主に200万円を支払っているため、追加で100万円を支払う

売主が違約した場合
売買契約で受領済の手付金200万円を買主に返金し、別途300万円の違約金を買主に支払う


まとめ:中古不動産の購入は、物件状況に納得してから

改めて見てみると、中古不動産物件の購入契約には、チェック項目が多いですね。

新築物件との違いとしては顕著ですね。しかし、ここをおろそかにすると、条件などに齟齬が生じ、手付解除といった金銭的な損失にも繋がりかねません。

中古不動産物件だからチェックすべき点をしっかり確認して、納得した上で購入の最終判断をすべき、ということですね。

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この記事の監修者

井口 忠二

公認不動産
コンサルティングマスター

井口 忠二

Tadaji Inoguchi

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株式会社アスパートナー代表取締役。
福岡県出身。明治大学商学部卒。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了。
大手不動産会社に入社し、売買仲介営業を経験。東京23区エリア営業トップセールスを2年連続受賞。その後、不動産の売買賃貸仲介・管理・コンサルティングをワンストップで対応する株式会社アスパートナーを経営。売買仲介成約件数700件超。

Licenses and Certifications

宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー
相続士
相続診断士
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
経営学修士MBA
損保トータルプランナー(損害保険最上位資格)
不動産キャリアパーソン