いえを売る 動画解説
【2021年最新】不動産売却トラブル事例!説明不足によるクレームを防ぐには?
このコラムの要点をサクッと解説
- ? ギモン
- 不動産売却の契約で、トラブルにならないために気をつけるポイントは?
- A. コタエ
- 正確な物件の状況を事前に説明(公開)しておくことが、トラブルを避けるための重要なポイント。住宅ローンの一括返済に関する違約金や、少額の手付金で売却を進める場合のリスクも考慮しておこう!
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不動産売却時のトラブル事例や、クレーム防止方法を動画で解説
こんにちは、2Line2スタッフです。
売却する不動産の購入希望者が決まった後に、何らかのトラブルが起きないとも限りません。
しかし契約が進まないとなると、売主側のスケジュールなどにも大きく影響してきます。
そこで今回は、不動産売却時に考えられるトラブル事例や、クレームを防いでスムーズに売買契約を結ぶポイントについて、公認不動産コンサルティングマスターである井口さんにお話を伺いました。
売却物件の状況を説明する時の3つのポイント
不動産の売却トラブルを避けるポイントは3つあるんですね。
はい。まずひとつめが、「不動産の設備状況を買主に正しく伝える」です。
現在の設備状況がどのようになっているか、知り得る限りすべての内容を、事前に書類へ記入しておき、物件案内時に買主に確認してもらうようにしましょう。
説明が不足していたり、伝えなかった場合、どのようなことが起こりうるんでしょうか?
補修費用の請求が考えられます。一般的に雨漏りや給排水管の故障不具合が不動産引き渡しから3か月以内に発生した場合、売主にが買主に補修費用を支払うことがあるんです。
また部屋が空室になって数年が経過し、老朽化によって設備が使用できるか不明な場合は、仲介会社と売却方法についてしっかり話し合って行っておきましょう。
二つめは、「隣地との境界を明示しておく」です。
測量などを行うということですね。
はい。測量は土地家屋調査士さんに依頼できます。ただ費用がかかるので、できる限りで構いません。
過去に境界トラブルや紛争があった場合は、かならず事前に不動産会社、買主さんに情報共有しておきましょう。
もし境界を明示せずに進めていくとどうなるんでしょう?
売主が境界を明示せずに不動産の取引を行うと、将来買主さんが建て替えなどによって測量する際に面積の増減が生じやすい傾向があります。
たとえば、隣地の主張する境界が大きく異なっており、買主さん側の面積が著しく少なくなる、といったことが考えられます。
こうなった場合、買主さんから売主に損害賠償を請求されることもあります。こうならないためにも境界線を明示する必要があるんです。
そして三つめは、「物件の事件・事故情報はかならず開示する」です。
ひとつめの「不動産の設備状況を説明する」と同様に、物件にひもづく情報は公開するということですね。
そうです。事故や事件というのは誰であってもいい印象を受けることはないと思いますが、売主には、買主が購入する上での重要な項目を告知する義務があるんです。
たしかに、知っている情報を共有するというのは信頼にかかわりますね。
はい。情報をきちんと開示し、共有しておくことが大事です。
設備故障による不動産売却のトラブル事例
売主は、故障がわかっている場合は事前に告知しなければなりませんし、告知によって補修責任のある設備対象から外すこともできます。
しかし不動産に付帯している設備が引き渡しから一週間以内に故障した場合や、告知がされていない部分に設備故障が起きた場合は、買主さんから補修費用が請求されることもあります。
設備の状況がわからない場合はどうするんでしょうか?
設備の稼働状況が不明な場合は、設備も含め、瑕疵担保免責による取引を行うということもできます。
また、あらかじめ設備補修費用について価格交渉されることを想定した上で、販売価格を決めるといったこともできます。
いずれにせよ、どのような対応が適切か不動産会社と話し合っておきましょう。
家族間での不動産売却のトラブル事例
ではここで、実際のトラブル例を見てみましょう。
1. 不動産所有者が高齢者の場合
売主が高齢者の場合、売却意思能力が低下している可能性があります。
不動産決済の判断能力があるかなど、事前に司法書士に確認しましょう。
2. 離婚協議中の不動産の場合
離婚による財産分与に関する協議はすぐに終わるものではなく、1年から数年ほど継続する家庭もあります。
売却活動をスタートしたものの、財産分与の未確定が原因で売買契約まで進めることができないというケースも少なからずあります。
離婚協議中のため財産分与が未確定の場合は、確定させてから売り出しを開始しましょう。
3. 相続発生における遺産分割協議の未成立
相続によって今まで仲の良かった親族間同士でも争いごとが起こることも少なくありません。
遺産分割協議を成立させる手段のひとつとして、現金(株式・投資信託等)の換金性の高いものを現金化して相続される不動産に対する代償分割をする手法があります。
相続トラブルになりそうな場合は、あらかじめ遺産分割協議について話し合い、同意がもらえるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
販売開始前に知っておきたいローン・手付金のポイント
次に金銭的な面をチェックしてみましょう。
まずは住宅ローンですが、別の記事(住宅ローン返済中の家を売却するには?)でも紹介しているとおり、金融機関への一括繰り上げ返済を行う際に返済手数料や違約金が必要になる場合があります。
たとえば、とある銀行では5年以内に一括返済すると、融資残高の1%程度の違約金を売主が支払う必要がある場合があります。
また、固定金利を選択している最中に一括返済を行うと、金融機関によっては融資の一括返済にともなう金利違約金を請求される場合もあります。
もし知らないままに一括返済を行うと、想定外の出費になりますね…。
そうなんです。ぜひ注意していただきたい点ですね。
次は、少額の手付金はクーリングオフの対象になるということです。
売買金額に対し手付金があまりにも少額すぎると誘引行為とみなされ、クーリングオフの対象になってしまいます。
少額とは、どのくらいの金額なのでしょうか?
10万円や、20万円のものを指します。一般的に手付金は、物件成約価格の5%から10%の範囲で設定され、売買代金の一部として充当されます。
5%以上の金額を手付金として受領し、安全な売買契約を行えるよう、不動産会社ときちんと話し合うことが肝心です。
まとめ:説明不足が売却トラブルにつながる。物件情報を説明してトラブルを防ごう
事前に物件の状況を正確に伝えることが、トラブル回避のポイントですね。
はい。まずは不動産会社、そして将来その物件を保有する買主さんと情報を共有することが第一です。
加えて、住宅ローンの一括返済時の注意点や安全な手付金の金額を把握することが大切ですね。