いえを買う
【2021年最新】住宅ローンの返済例から基礎知識を学ぶ!
このコラムの要点をサクッと解説
- ? ギモン
- 住宅ローンの返済例を学ぶと、どういったことがわかるようになる?
- A. コタエ
- 「支払遅延となり、不動産を手放すことになった」などのリスクを防ぎ、自分の貯蓄額や生活スタイルに合った不動産の購入ができる。
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こんにちは、2Line2スタッフです。
不動産を購入する際に必要となる費用の内容は、「不動産購入時にかかる費用とは?」の記事でお伝えしました。
これをもとに、実際に計算を行った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、次に気になってくるのは「資金をどうやって準備するのか?」ということでしょう。
今回は、そもそも資金計画とは何か、また、そのシミュレーションの方法などについて、公認不動産コンサルティングマスターである井口さんに伺いました。
不動産購入時には、しっかりとした資金計画を
ではまず、「資金計画」の解説からお願いします!
資金計画とは、支払いなどのシミュレーションを行うことです。
逆に質問しますが、なぜこの支払いシミュレーションである「資金計画」を立てるのか、その理由はわかりますか?
計画を立てる理由…というならば、やはり順調に支払いができるようにするため、でしょうか?
そうですね! もっと詳しく言うならならば「購入後、ローン支払や管理費、固定資産税等の滞りなどを発生させず、不動産を安全に運用し、予期せぬ売却に陥らないようにするため」となります。
たとえばマンションの場合は、月々のローン返済に加え、「管理費」や「修繕積立費」などが必要になりますよね?
月々にかかってくるランニングコストの部分ですね。
これらのことを見越して、購入前に、月々の返済+プラスαがいくら必要になるを把握しておくべきなんです。
じゃないと、先ほど言ったように返済不能になり、売却することになるかもしれません。
それを避けるための方法を考えるのが、資金計画なんですね。
住宅ローン融資前に銀行がチェックするのは?
住宅ローンを融資してくれる金融機関では、住宅ローンを融資する場合、本人の勤務先や勤続年数、年収などに応じて、本人が返済可能な比率を設定しています。
それぞれが独自の審査レート金利を加味して、融資金額を決定するんです。
審査レートですか…実際にはどのような計算をするんでしょうか?
では実際に、とある銀行を例に、審査レート金利と返済比率を見てみましょうか。
まずは審査レート金利です。
審査レート金利
審査レート金利とは、「将来その金利まで上昇しても本人が返済困難にならないかどうか」の基準になるものです。
ここでは、審査レート金利を仮に3.1%とします。
返済比率
審査レートに基づいて算出された返済額が、年収額の何%を占めるのかを審査するのが「返済比率」です。
年収に対し、「いくらまで返済できる余力があるか」を示すものとなります。
例はこのようになりますね。
年収 | 返済比率 |
300万円未満 | 25% |
300万円以上〜400万円未満 | 30% |
400万円以上〜500万円未満 | 35% |
500万円以上 | 40% |
先ほど申し上げたように、市況動向に加え、本人の勤務先や属性(年収・勤続年数・職業など)により審査レート金利およびおよび審査レート金利は変動します。
これら2つの観点に加え、銀行独自の審査基準を合わせて、融資の可否判断が行われるんです。
住宅ローンの返済例
実際にどのような計算になるのか、教えていただけますか?
もちろんです。ではまずはこちら。
ケース1:年収450万円で、融資4,000万円を希望した場合
年収450万円の場合の返済比率は、35%。年間総返済額が約157万円(月の返済額が約13万円)以下にならないと、融資は受けることはできません。
さらに、審査レート金利から、融資を受けることが可能かを確認しましょう。
- 融資金額:4,000万円
- 審査レート金利:3.1%
- 借入期間:35年
月々の返済金額:約15.6万円
年収450万円の場合、月の返済金額を13万円以下に収めないといけませんが、これでは返済額がオーバーとなり、融資を受けることが難しいと判断されます。
そうなった場合の対策などはあるんでしょうか?
こういった場合は融資金額を減らすという対応が一般的です。
では次の例を見てみましょう。
ケース2:年収300万円未満で、融資1,000万円を希望した場合
年収300万円未満の場合の返済比率は、25%。年間総返済額が約75万円(月の返済額が約6.2万円)以下にならないと、融資は受けることはできません。
さらに、審査レート金利から、融資を受けることが可能かを確認しましょう。
- 融資金額:1,000万円
- 審査レート金利:3.1%
- 借入期間:35年
月々の返済金額:約3.9万円
この場合は目安となる月の返済額(6.25万円)を下回っているため、融資を受けられる可能性が高いと判断できます。
なるほど、鍵になってくるのは、月の返済額、つまり、毎月きちんと返済できるかどうかなんですね。
そうです。だからこそ資金計画が必要なんだということがおわかりいただけたでしょう。
住宅ローンの返済額に応じた不動産購入を
つまり、融資額や返済額を明確にしておくと、自分の予算にあった物件探しができる、ということなんですね!
そうですね。住宅ローン控除や、親子間における住宅取得の非課税控除、相続時精算課税制度などの税制優遇を加味した資金計画も、月々の支払い負担軽減に繋がる非常に重要な項目です。
住宅ローン控除などについては「購入する物件の選び方」で、不動産の購入時に必要な諸経費は「不動産購入にかかる費用」で紹介していますので、参考にされてください。
でも、こういったことは、ご自分だけでシミュレーションなどを行うのは難しいのではないでしょうか。
そこで活躍するのが、FP(ファイナンシャルプランナー)や、その資格を持った不動産会社などです。
私もFPの資格を持っていますので、お問い合わせがあると詳細なシミュレーションを行うことも多いですよ。
なるほど。ひとりで悩まずに、必要に応じて専門家を頼ることも大切ですね。
まとめ:不動産購入は、十分に資金計画を行ってから
諸費用は自己資金を用意すべきか、諸費用を含めた融資が可能なのかは、人によって異なりますが、物件本体以外にかかる諸費用はおおよそ約8%~10%前後です。
いざローンを組もうとした際に、諸費用を融資金額に組み込めない、といったことも見受けられる事例のひとつです。
そうならないためにも、あらかじめ上記の「審査レート金利」「返済比率」をもとに試算を行っておくと、将来返済不能になるリスクを軽減できるんですね!
そうです。
全体の総支払額の試算に加え、月々のランニングコストの総額という2つを把握するのが、資金計画です。
しっかりと資金計画を行い、リスクを回避しながら、自分の貯蓄額や生活スタイルに合った不動産を探しましょう。